あべのハルカス美術館で、「超絶技巧、未来へ!」明治工芸とそのDNA を見てきた。
本展は、明治工芸のDNAを継承しつつ多様な素材と技法を駆使して、新たな領域に挑む現代作家の新作を中心に紹介します、とのこと。
・前原冬樹・《一刻》スルメに茶碗
・大竹亮峯・月光
・福田 亨・吸水
・本郷真也・円相
・松本 涼・髑髏柳
・吉田泰一郎・三毛猫
・盛田亜耶・ヴィーナスの誕生II
・青木美歌・あなたと私の間に
・稲崎栄利子・Euphoria
様々な分野での超絶技巧の数々の作品、この背後には細かな神経をすり減らす膨大な作業があるんだろうなあと、感心する。 新しい技術を用いて、作家独自の作品を作り上げている場合も多い。
さらに、明治の超絶技巧の作品との大きな違いは、その上に作品に主張が込められていることだろう。 身の回りの打ち捨てられた物をモチーフにして作品を作ったり、鉄を素材に烏の彫像を作って、100年後に鉄が朽ち果てたら、内部にも作った彫像が現われてくるとか。 要は、芸術作品を目指しているということ。 まあ、しかし、単なる美術好きにとっては、そういうことはちょっと脇に置いといて、作品を見て、心動かされるかどうかが、勝負。 芸術作品になるかどうかの境目。 正直言って、そういう作品はなかったかな。
一番気に入ったのは、池田晃将・五乗電脳之間飾箱かな。 象嵌の技術を用いた、現代的なモチーフの作品。 きらびやかな作品ながら、色調やデザインの美しさがいい。
少し、明治の工芸品も展示されていた。
信久・鷹香炉が一番良かったかな。 りんとした鷹が表現されている。 鷹の鋭い顔貌が見事。
あと、石川光明の木彫も良かったかな。