名古屋市美術館で 「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を見てきた。
スイス、チューリヒのビュールレ・コレクションから精選された64点の傑作の数々による展覧会。
特に印象派とポスト印象派の充実ぶりは素晴らしく、画家の代表作が来日、約半数が日本初公開。
4 メートルを超えるモネの《睡蓮》の大作も今回初めてスイス以外で展示される。
ルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》そして、モネの《睡蓮》の大作が見所かな。
その他にも有名画家のまずまずの作品が来ていた。
★クールベの「彫刻家ルブッフの肖像」
絵を見てすぐ、クールベかなと思った。 凄く個性的という訳ではないが、質実剛健という感じがして、あっクールベだと思う。 彫刻家がまるで坑夫のよう。 赤いシャツが印象的。
有名画家の絵が並んでいたが、そこまでいい絵という訳ではなかった。
ルノワールの《可愛いイレーヌ》は、以前どこかで見たような気がする。
セザンヌの《赤いチョッキの少年》と「扇子を持つセザンヌ夫人の肖像」の二つの傑作があった。
★セザンヌの《赤いチョッキの少年》
謎の多い絵。 顔の左下の髭みたいな黒色は、何だ? 影の色が伸びてきているんだろうが。
異様に長い手。 下半身とその背景の区別が判然としない、等々。
★セザンヌの「扇子を持つセザンヌ夫人の肖像」
全く無表情な、というか仮面のようなセザンヌ夫人の顔。 見たら、夫婦喧嘩になりそうな絵だ。
人を物体のように描きたかったのかなあ。
★ゴッホ 「日没を背に種まく人」
ゴッホの種まく人の絵は数々見てきているが、これは初めて。 強烈な絵だった。
画面中央を斜めに横切る幹、でっかい日没、そして種まく人、黄色が強烈で傑作という訳ではないが、強烈に印象に残った。
もろに、浮世絵の構図に影響を受けている。
★ゴッホ 「二人の農婦」
何この空の水色という色にベージュっぽい畑の色が対比されている。
そしてうねるような麦の線。
何だという色の感じなんだが、見ている内に良くなってくる。
ゴッホに説得されてくる。 ゴッホはやっぱりいい。
この絵だけ、撮影OKになっていて、皆夢中で写真を撮っていた。
そのため、あまり絵をじっと見る雰囲気ではなかったな。
モネの最晩年に近い絵。 対象は外形をとどめなくなり、ゆらめく色ばかり。 最晩年は色を塗りたくったようになるが、その手前の頃の絵。 だから、まだ美しい絵。