第25代専如門主の就任を内外に披露する「伝灯奉告法要」を記念する特別展「浄土真宗と本願寺の名宝Ⅱ―守り伝える美とおしえ―」を龍谷ミュージアムで見てきた。
ここは、初めて来た。
西本願寺の道路を挟んで東にある。
ビルの中なので、あまり美術館という気がしない。
それに対応が少し胡散臭い宗教臭がする。
まず、2Fへ。
歴代宗主の影像がずらりと並んでいる。
絵としては、価値がないが、説明書きを丁寧に読んでいく。
宗祖は、勿論 親鸞。
第8代 蓮如が中興の祖、そして、第11代 顕如が、戦国時代に織田信長と対立した。
何かで読んで驚いたことがあるのだが、ここは世襲制なんだな。
宗教で、世襲制。 ありえん。
親鸞の教えとは、ほど遠いだろう。
草葉の陰で嘆いているよ。
第22代 鏡如が大谷探検隊を派遣していて、文化・教育に力を入れたようだ。
写真の顔もいい顔をしている。
しかし、wikipediaを見ると、それらの大きな費用負担が宗門及び本願寺の財政を危機に陥れたため、鏡如は法主引退に追い込まれた。本願寺派は再び危機を招かぬように、龍谷門主大谷家の権限を制限することを決定した、と。
世間一般には、受けが良かったが、財政危機を招いてはね。
さて、2Fには、いいのがなかった。
3Fへ。
★「渋々宿絵伝」 江戸時代 浄福寺
地面と家々の茶、水の薄青、雪の白の色合いが美しい。
朴訥とした美しさがある。
本展のベストかな。
★「水晶玉花車」
花車の上に砂金袋があり、その上に牡丹の花、そしてその上に水晶玉が乗っている。
豪華すぎるのが鼻につきそうだが、牡丹の花がとても優美で美しい。
洗練の極みの超豪華品。
★「檜猿図」 不明
渓谷の岩の上に親子猿、檜の幹にも猿が一匹いる。
渓谷の激しい岩から、右の霞む岩にかけての描写が秀逸。
狩野元信のような素晴らしさがあるなあ、と思ったのだが、応挙の弟子の吉村孝敬という画家と推定されているようだ。
どうなんだろう。 かなりいい絵と思うんだが。
あと、国宝「三十六人家集」37帖のうち『能宣集 上』が見れた。
このセンス。 昔から日本人の美意識は凄かったんだな。
国宝「安城御影 副本」 1幅 室町時代(絹本着色)西本願寺蔵は、<5/24~5/31 >展示で見れなかったよ。
たった1週間かよ。 ケチだな。