京都国立博物館で、修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 を見た。
10時頃着いたのだが、すでに長蛇の列。
入場1時間45分待ち、さらに場内で鳥獣戯画の甲巻の所で、15分ほど待たされた。
今までで一番の混み具合だった。
本当なら昼飯を食う12時から展覧会を見る羽目になるとは。
最初は、高山寺関連の絵や書が展示されていて、後半から「鳥獣戯画」が展示されている。
最初はすっ飛ばして、「鳥獣戯画」から見ることをおすすめする。
見終わったら、戻ってきて、前半部分を見たら良い。
疲れきってしまわない内に、「鳥獣戯画」を見るべし。
自分は、途中で気付いて、そうした。
今までにも、鳥獣戯画を何回か見たことがある。
しかし、4巻ある内の甲巻の一部分だけだった。
今回は、4巻すべて、それぞれの半分を見れた(前期・後期展示なので、半分ずつ)。
さすがに修復されて、とても綺麗で見やすくなっていた。
大満足。
★甲巻。 蛙と兎による弓矢の的あての場面。
生き生きとしていて、見ていて面白い。
やはり、4巻では、甲巻が文句なしにベスト。
シンプルで生き生きとしている。
空間の取り具合もいい。
★甲巻。 何の場面かな?
蛙と兎以外に猫と狐と鼠が描かれていたので、はがきを買ってみた。
★乙巻。
様々な動物が描かれ、まるで動物図鑑のよう。
馬や牛、犬などだけでなく、麒麟や龍などの空想上の動物も描かれている。
甲巻に比べ、少し落ちるけど、いい。
前半には人々が色々な勝負事をしている場面が、後半には擬人化された動物たちが活躍する場面が描かれる。
甲乙巻に比べ線が薄い。
もとは紙の表裏に描かれていて、それをあい剥ぎ(一枚の紙を表裏二枚に剥ぐ)されていたことが今回の修理で分かった。
それで線が薄いのだ。
驚き。
あい剥ぎは、美術マンガ「ギャラリーフェイク」(雪舟の絵があい剥ぎされた)で知ってたから、おーっという感じだ。
線が薄くなかったら、もっと良く見えるんじゃないかな。
人も動物も生き生きと描かれていると思うよ。
★丁巻。
簡略な筆遣いで、僧侶、貴賤、老若男女、様々な人たちが法会などの仏事や騎射などの技くらべに熱中する様子が描かれている。
如何にも走り書きという感じで、下手ではないんだろうけど、上手くもない。
それにしても混雑していたので、絵の前に止まることは許されず、あっという間に通り過ぎる羽目になった。
じっくり堪能したかったんだけど。
そのため、絵を堪能したという気持ちより、鳥獣戯画を半分見たぞ、という変な満足感の方が大きかったよ。
あと、国宝の 「華厳宗祖師絵伝」の「元暁伝」と「義湘伝」も見れた。
「義湘伝」の 善妙が海中に身を投じ、竜となって義湘の船を守っている場面を描いた部分がいい。
画面いっぱいの波とその青の色合いに惹かれる。