大阪中之島美術館で、「本職?人間だ。 岡本太郎」を見てきた。
入ってすぐ、太陽の塔のモチーフ、いいね。
戦争時に中国で描いた、本展で唯一の写実。
★《森の掟》
有名な絵だけど、マンガチックな絵だな。
★《光る彫刻》
どきっとするね。 オブジェの方がいいのかも。
縄文土器に出会って以降、絵が黒くなる。 そっちの方がいいね。
色彩の調和が取れてると思う。
しかし、
「今日の芸術は、うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。」
と言う人だから、本人的にはどうなのか?
★ 太陽の塔
自分は「太陽の塔」を彼の一番の傑作だと思っている。 万博近くを通って見るたびに、凄い存在感だなと思う。
★ 《明日の神話》
メキシコのホテルの為に制作された幅30mの巨大な壁画。長らく所在が不明となっていたが2003年に発見され、修復を経て2008年に渋谷駅に設置された。本展では幅約11mの下絵を展示。
原爆を描いた絵。 これが、彼の2番目の傑作だね。
ゲルニカの二番煎じなところはあるけど、いい絵だと思う。
昔、岡本太郎とは、TVで「芸術は爆発だ」「ガラスの底に顔があっても、いいじゃないか」と叫んでいるおかしな人というイメージしかなかった。 その後、本当の姿を知るに及んで驚いたのだが。
岡本太郎には、痛快な言葉が多い。
「今日の芸術は、うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。」
これなんて、強烈だよね。 こちらに刺さってくる。
インタビュアーの、「あなたは絵描きさんでありながら、さかんに文章も書くし、いったいどっちが本職なんですか」という質問に、
「本職? そんなものありませんよ。バカバカしい。もしどうしても本職って言うんなら、『人間』ですね」」
と答えている。 これが本当か。
「本職?」「人間だ。 」に比べれば、痛快感がないね。
万博で丹下健三の大屋根の模型を見た岡本太郎が、その整然としたスタイルにむらむらっと反逆心わ湧いて、大屋根に穴を開けさせて、そこに太陽の塔をぬくっと建てさせたという話が大好きだった。
しかし、真実は岡本太郎を万博のプロデューサーに起用したのが丹下で、丹下は反対せず受け入れた。 そして、出来上がりを2人で見た時に、丹下はなぜかいいんだよなあと語ったそうだ。
さて、岡本太郎は、芸術は大衆の物という信念から、自分の絵を売らなかったらしいから、本展覧会で岡本太郎の全体像がわかるんだろう。 見て、作品自体はそこまでではないなという印象を持った。
「太陽の塔」と《明日の神話》が図抜けているが、他はそこまでは行かない。 差があるという感じだ。
文章にしても、TVCMにしても、オブジェや壁画にしても、その発信力が彼を一番際立させていたのかもしれない。