神戸市立博物館で「我が名は鶴亭」展を見てきた。
鶴亭(かくてい・1722~85)―長崎出身の黄檗僧で画家。
沈 南蘋の日本人の唯一の弟子・熊代熊斐に師事した。
本展は歿後230年を経て、鶴亭の画業と生涯に迫る初めての回顧展。
鮮やかな色彩と豊かな表情の鳥が魅力的な著色花鳥画、大胆かつ冴えわたる筆遣いの水墨花木図からなる、鶴亭の「花鳥画」76件を展観します。とのこと。
まだあまり知られていない画家を発掘しました、という展覧会かな。
1Fに飾られていた鶴が描かれた屏風の大作を見て、こりゃダメだ、と思った。
力を入れて描いているであろう大作でこのレベルなら、もうダメに決まってる。
3Fに上がって見ていくが、やはりダメだ。
時間をかけて見るまでもない。 さーっと見ていく。
同時代の曾我蕭白の「鷹図」が展示されていた。
レベルが違う。
描写力が違う上に、蕭白には力強さがあるからねえ。
そして、同時代の伊藤若冲の絵も飾られていた。
風に吹かれる竹の絵が若冲と鶴亭で並べられていたが、可哀そうなほどレベルが違う。
若冲の絵からは、風にざわつく竹の葉の雰囲気が伝わってくるからねえ。
しかし、最後の最後にいい絵に出会った。
「花木図押絵貼屏風」だ。
大胆な太い墨線が力強いし、墨線に迷いが感じられない。
造形感覚も素晴らしい。
最晩年の作らしい。
最後の最後に素晴らしい絵が描けた。
鶴亭。 期待外れだったな。
そうは、埋もれた画家なんて、いない。
同時に、南蛮美術・古地図企画展「西洋との出会い」 が開催されていた。
重要文化財 「聖フランシスコ・ザヴィエル像」が見れた。
重要文化財 狩野内膳「南蛮屏風」も。
この絵は、「桃山時代の狩野派」展でも見た。
ここは、南蛮美術に強いね。