昨年の11月の話になるけど、三菱一号館美術館に「プラド美術館展」 ―スペイン宮廷 美への情熱 を見に行ってきた。
本展では、小さな作品が選ばれており、あらゆるジャンル、テーマにわたる、巨匠たちの生の筆跡、緻密な表現、繊細な質感とともに多種多様な素材をじっくりとご鑑賞いただけます、とのこと。
プラド美術館は、ウィーン美術史美術館に次いで行ってみたい美術館。
ベラスケスとゴヤの名画があるからね。
ルーブルとメトロポリタンと大英博物館に行ったことがある上でだけど。
三菱一号館美術館のあるビルの前の中庭は、何ともオシャレ。
入口。
★ヒエロニムス・ボス「愚者の石の除去」
背景の平原の風景が美しい。
強烈な風刺だけど、美しい絵。
ティツイアーノとかグレコとかルーベンスの絵があったけど、イマイチだった。
★ムリーリョ「ロザリオの聖母」
これは、ムリーリョの傑作。 正統的美しさ。
ルネッサンスの味わいがあるけど、色がリアル。
★ベラスケス「ローマ、ヴィラ・メディチの庭園」
灰色の廃屋に林立する樹木。
とてもシックで美しい。
ベラスケスの多彩さを窺がわせる一品。
★ピーテル・ブリューゲル(2世)の「バベルの塔の建設」
円錐の塔の上部が変にすぼまっている。
これが父親の絵の模写かなあ。
それでも雰囲気は味わえた。 いつか本物を見たいものだ。
★ヤン・ブリューゲル1世「森の中のロバの隊列とロマたち」
うす青の谷合いの遠景が絶品。
★ダーフィット・テニールス(2世) 『老人と手伝い女』
納屋で老人が若い女に手を出している風刺画なのだが、納屋感が凄い。
そして待ちに待ったゴヤ。
しかし駄作ぞろいで、がっかり。
★ゴヤ「レオカディア・ソリーリャ?」
唯一良かったのがこの絵。
老年に差し掛かった中年の婦人。 醸し出す悲哀。
ゴヤの最後を看取った人だそうだ。
それでもゴヤは容赦なく描き切る。
白い繻子のはおり、後ろの暗がりから浮かび上がる背もたれ。
美しい。
さすがプラド美術館、格調高い絵が多かった。
これぞ、西洋画のクラシックという感じだ。
一級品は少なかったが。