「京(みやこ)の国宝」 ~美しき国宝たち~ *京都国立博物館

 京都国立博物館で、「京(みやこ)の国宝」を見てきた。

京都ゆかりの名高い国宝、皇室の至宝の数々を中心に文化財保護のあゆみや、日々の調査研究、防災、修理といった、様々な取り組みも取り上げた展覧会。

★ 国宝「十六羅漢像」北宋時代 京都・清涼寺

羅漢さんの顔の表情が豊かで、力がある。 顔の描写が特に優れた絵。

★国宝 雲中供養菩薩像 北十六号  京都・平等院

優美の極致。 浮遊感が優美さを強めているのかなあ。

★「小栗判官絵巻」 岩佐又兵衛

まず、その圧倒的な描き込みに驚く。 塗の精緻だね。
しかし、全体を見渡すと、どうかな?と思ってしまった。
岩佐又兵衛の絵には、あまり出会わないので、やったと思ったのだが、?マークの付く絵だな。

★国宝 「花下遊楽図屏風」 狩野長信筆


「花下遊楽図屏風」左隻

この絵が見たかった。
2000年に東京国立博物館で日本国宝展を見たんだけど、その中で特に印象に残ったのが、狩野長信の「花下遊楽図屏風」と法隆寺金堂壁画の模写であった。

もっと華やかな絵の印象があったんだけど、全体的に渋い色合いの絵。
いなせな男女の踊り姿や農民姿の女性たちの踊り姿が生き生きと描かれていて、いい。

全体的な構図が素晴らしいかな。
黒い幕の斜めの線で画面を区切っている。
八角堂の半分のみ描かれているのも画面中央に焦点が当たるようになっていて、いいね。

この作品の右隻中央部分は、大正12年の関東大震災の時に焼失している。
その消失部分を復元するかたちで高精細複製品が制作されている。
消失部分には、高貴な身分の女性たちが優雅に語らっている様子が描かれていて、この絵のハイライト。
高貴な身分の女性たちは、長信が生きた時代から推測して、宴は秀吉が催した「醍醐の花見」をも想起させ、貴婦人は秀吉の側室淀殿、あるいは浅井三姉妹のいずれかといわれている。

これは、美しいね。 残っていたら、もっと素晴らしく感じただろうな。

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