AFC U-16選手権を制したU-16日本代表、6大会ぶり3度目のアジア王者となったチームを振り返ってみたい。
雨で順延となり、放送のなかったグループリーグ第3選・マレーシア戦以外の全5試合を見た。
これだけ見たのは、前回大会に続いて2度目。 前回の久保世代が凄かったから、また見てみたいと。
全6試合の出場メンバー。 23人全員が出場した。
全員を使うのは、日本の育成年代の基本方針。 これは素晴らしいこと。
理由は、温情ではなく、育成年代は将来誰が成長するかわからないので、できるだけ多くの選手に経験を積ませようということ。
まず、チームとして。
システムは、4-4-2。 第2戦のタジキスタン戦のみ、4-1-4-1を採用した。 理由は不明。
いいFWが多くいれば、使いたいシステム。 日本の若手年代は、昔みたいにいい司令塔タイプが出なくなった。
才能ある選手は、司令塔ではなくFWを目指すようになったからだと思う。
グループリーグのタジキスタンと引き分けた試合を見た時は、なんてつまらないチームだ、WC出場権は取れるだろうけど、こりゃダメだなと思った。 しかし、その後段々連携が良くなっていって、ボールが繋がるいいチームになっていった。
全員のボールを貰う動きがいい。 ボールを持った選手がボールの出しどころに困ることが、あまりなかった。
これは、目立たないけど、素晴らしかったと思う。 縦への裏への抜け出しも結構あって、特に唐山のそのプレーが良かった。
全6試合で、得点は、13点。 失点は、4点。
唐山 翔自が5ゴール。
荒木 遼太郎が2ゴール。
西川 潤、近藤 蔵波、半田 陸、成岡 輝瑠、三戸 舜介が各1ゴールで、オウンゴールが1。
唐山 翔自が5ゴールで、大活躍だった。 最初は、ラッキーボーイと見ていたけど、裏への抜け出しの動きがいいのと、シュートが巧い、それに縦へのドリブルもいい。 唐山がMVPだと思ったけど、西川 潤がかっさらっていったね。
AFCの選考はいつもおかしい。
DF陣は、ピンチが少なかったのもあって、正直いいのか悪いのかあまりよく分からなかった。
失点4は、いただけない。
次に、個人について。
キャプテン半田 陸と横川 旦陽のみが完全フル出場。 特に横川が、運動量の多いボランチながらフル出場とは凄い。
完全黒子だったから、目に余り入らなかったけど、動いてないなあと思うことは一度もなかったから、凄いスタミナだね。
最初、攻撃参加してきた時は、シュート下手糞と思ったけど、その後攻撃参加は自重していたのか、見かけなくなった。
ボールを奪うプレーとかもあまりなかったと思うので、守備でもあまり目立たなかった。 けど、悪いプレーもなかったと思う。
とにかく目立たなくて、だから、どこがいいのか正直よくわからない。 注目して見ないとダメなんだが、この抜群の信頼感から言って、黒子として最高の選手なんだろう。
CBの半田 陸は、そこまでいい選手と思わなかったなあ。
鈴木 海音は、安定してる。 佐古 真礼は、タジキスタン戦で凄いと思ったんだが、その後は普通だった。
SBの選手たちは、攻守のバランスが取れている。
角 昂志郎に少しキラリと光る物を感じたんだが。
成岡 輝瑠は、いい選手。 攻撃参加に持ち味がある。
山内 翔は、すっと背を伸ばしてプレーしていて、最初見ていて気持ちが良かったんだが、体調不良になったのか、その後プレーに精彩を欠いた。
SHでは、中野 桂太が気に入った。 アグレッシブな動きと、強烈な左足が素晴らしい。 可能性を感じる選手だよ。
中野 瑠馬もドリブルにキレがある。
FWは、西川 潤が一番才能を感じる。 ボールを持ってためを作れるし、人に強いドリブルが出来る。 それで、オマーン戦ではチャンスを何度も演出した。 ただ、決定力がない。 酷かった。
唐山は、凄いという感じは与えないけど、不思議と点を取る選手。 能力をFWに特化している感じだ。
フィリッポ・インザーギみたいな感じ。
5得点でタイだけど得点王になった。 将来ガンバで活躍してくれるかなあ~。
荒木 遼太郎も巧い選手。 しかし特別感はない。
さて、来年ペルーでU-17WCが開催される。
前回の久保世代は優勝するかもというワクワク感があったけど、今回はあまり感じない。
ただ、チームとしては、そこそこやれるかも。
しかし、育成年代は勝ち負けよりも、個が大事だからねえ。 将来A代表でどれだけやれるかということだから。
前回は、AFC予選からWC本番で7人が入れ替わった。
今回は、もっと入れ替わりそうな気がする。
(追記)
アジア予選で、一次予選で登録の無かった2002年1月1日~2002年8月31日生まれの選手たちは、2次予選で出場できないというレギュレーションがあるそうだ。 知らなかった。 アジア予選では、過去に年齢詐称問題があったので、その対策の為らしい。
だから、遅咲きの選手を今大会に呼べなかったそうだ。 前回大会では椿がそうだった。
まだまだタレントがいそうだ。