リマ症候群。 在ペルー日本大使公邸占拠事件の真実。

 先日、未来世紀ジパングを見ていたら、ペルーの話をしていた。
その中で、在ペルー日本大使公邸占拠事件が出てきた。
もう、20年前になるのか、1996年12月17日に、ペルーの首都リマでテロリストによる駐ペルー日本大使公邸襲撃および占拠事件が起きた。 4か月の長きに渡った事件だった。
自分の記憶では、ペルーの特殊部隊が突入して、人質が全員無事救出されて、ペルーの特殊部隊もやるもんだな、というものだ。

 ところが、真相はかなりの物だった。
日本人の人質は、24人。
商社の現地法人社長や外交官のエリート達。
彼らは、人質になりながらも、日本人らしく、掃除したり、廊下をジョギングしたり、将棋で遊んだり、ピアノを弾いたりしてる内に、ゲリラに教えたりして、仲良くなっていったそうだ。
日本人を監視していたのは、子供のゲリラ。 貧しい親にゲリラに売られたらしい。
そして、日本のエリート達に初めて、人の子らしく扱われたと(こちら)。
人質がテロリストを庇うような心情になるのをストックホルム症候群というが、逆にテロリストが人質のことを慮るようになるのを、この事件をきっかけにリマ症候群と言うらしい。
そして、ペルーの特殊部隊が突入、その時2階のいた見張り役の少年が軽機関銃を持っていたが、情が移って撃たなかったと。 テレビはこういう美談で終わった。

 しかし、その裏には醜い真実が隠されていた。
ジャーナリストの青山繁晴がこんなことを語っている(こちら)。 青山は、この事件を当時現地で取材していたらしい。
当時のペルーの大統領は、日系のフジモリ大統領。
フジモリ大統領は、日本人の人質が全員殺されるのを承知で、突入させたらしい。
自分の力を誇示して、ペルー国民に俺に抵抗するなというメッセージを国民に流すために。
テロリストは全員殺されたが、一旦捕まったゲリラもいたらしい。
女性ゲリラは、生きて逮捕されて、後ろ手に縛られて、いったん公邸の外に出された。出して見せて、もう一度引きずり込んで中に連れていって、四肢を切り落とし、乱暴を加えて殺したんだと。
この件で、フジモリ大統領は、ずっと後になって裁判にかけられて、今獄中にいるそうだ。
有罪になったニュースは記憶がある。何やってんだか、途上国は大変だなと思ったんだが、真相がこんなことだったとは。 そりゃあ、有罪で当然だ。
この青山さんの話は、面白いよ。 一読をお勧めする。

 それにしても、パナマ文書といい、ネットの世界は凄い。
真実を暴いていると思えるマスコミでも、実は真実を隠していて、ネットの世界であらゆる出来事の真実が晒されていっている。
記事は玉石混交だが、それでも真実を語っている記事が広がっている気がする。
アメリカは、ネットという凄い物をよく発明したもんだ。
その影響力において、テレビより凄い20世紀最大の発明かもしれない。
若い頃、パソコンが会社で日常的に使われだして、ネットも狭い世界で全然知らなかったのに、今や多くの人がブログ等で自ら発信者となっている。
日本人が世界で一番多いらしいよ。
そして、ある意味、究極の平等社会へ向かっているような気がする。
こんなことまで思わせる、そういう出来事であった。

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