藤井聡太五段、羽生竜王・広瀬八段を破って、最年少の棋戦優勝、新たなる伝説を作る。

 将棋の中学生棋士、藤井聡太五段(15)が、第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝・決勝で、羽生善治竜王、広瀬章人八段を相次いで破って優勝した。15歳6カ月での棋戦優勝は、加藤一二三九段の15歳10カ月を抜き、最年少記録。

 これは、凄かった。
まず、羽生竜王戦、先手・藤井五段の角換わり模様を羽生竜王が雁木に受ける展開になった。
両者がっちり駒組みした後、藤井五段が仕掛けた。
藤井五段が端攻めをうまく絡めて龍を作った所は、藤井優位になった模様に見えたが、ソフト的にはまだまだ五分五分だったようだ。
そして、羽生竜王が、9九と隅に銀を打つという変な手を指して、負けた。
これには、驚いた。
本気モードの羽生竜王が負けるとは。
藤井五段は、悪い手は全然指さなかった。
五分五分の展開もしくは少し有利な展開から、悪手や緩手を指さずに勝ち切る、強いというしかない、勝ち方だった。
完勝だった。 ここぞという対局の羽生竜王相手に、こんな将棋を指せるなんて。

 そして、広瀬八段との決勝。
角換わりの同型になり、広瀬八段が5二玉という用意の一手を指したが、これを咎めて、藤井五段が一方的に攻めるが、広瀬八段もしぶとく受けて、細い攻めになる。
素晴らしい攻めの手順の連続を楽しんでいたんだが、終盤の4四桂という一見タダ捨ての鮮やかな手を指して、相手飛車を遮断、そこからは一挙に押し切った。

羽生将棋を見るかのような、魅せる将棋で勝ち切った。
素晴らしすぎるし、強すぎる内容だった。
対局後、広瀬八段から「藤井聡太五段との決勝は、自分には荷が重すぎた」という自虐コメントまで飛び出す、完勝だった。

 いや~、強い相手に中身が完勝で、凄すぎる。
29連勝ストップ後、ぽつぽつ負けていた時期を乗り越えて、格段に強くなった。
序中盤で不利になることが、ほとんどなくなったよ。
そして、そのまま終盤に流れ込めば、盤石の終盤の読みで勝ち切ってしまう。
負ける気がしなくなった。
もう、A級なみの実力。
15歳、中学生でこの強さなら、2,3年で敵なしになってしまわないか、心配なくらいだ。
羽生竜王を不世出の天才と思っていたが、藤井五段はそれ以上だよ。
勿論、この強さを20年、30年持続できるかどうかは未知数で、人生の運みたいなものもかかわってくるので、天にどれだけ愛されるかという問題にもなってくる。
しかし、その点では、29連勝やこの大一番での羽生竜王への勝利を見れば、天に愛されていると言ってもいいだろう。

 以前、「藤井聡太四段が佐藤天彦名人を破る。伝説誕生なるか。」という記事を書いた。
羽生竜王は、プロ入4年目の1988年度にNHK杯で4人の名人経験者(大山康晴・加藤一二三・谷川浩司・中原誠)を破って優勝して、伝説をスタートさせた。
自分は、加藤一二三戦の伝説の5二銀打ちを当時見て、羽生竜王のファンになった。

 今回、藤井五段は、佐藤天彦名人・羽生竜王・棋聖を破った。
そして、決勝では、菅井王位・渡辺棋王・久保王将を破った広瀬八段に勝って、言わば、6つのタイトルホルダーを破ったことになる。
中村王座がいないだけだ。
これは、新たな伝説を作ったと言わずして、何と言えよう。
そして、これは、NHK杯で4人の名人経験者(大山康晴・加藤一二三・谷川浩司・中原誠)を破った以上の内容だね。
凄いなあ。
羽生伝説誕生の瞬間に続いて、藤井六段の伝説誕生をリアルタイムで見れたのは、将棋好きにとっては、ラッキーで幸せなことだったよ。

 別の話になるけど、久保王将は、準決勝で広瀬八段に敗れた時、負けましたとは言ったけど、頭を下げなかった。
こんな無礼は初めて見たよ。 日本人とは思えない。
さすが、三浦九段を貶めて、謝罪と弁明をしていないだけのことはある。

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