没後150年 坂本龍馬  ~京都国立博物館~ 

 京都国立博物館で「没後150年 坂本龍馬」展を見てきた。
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 幕末の志士坂本龍馬が京都で亡くなっておよそ150年。
坂本龍馬を主人公にして、幕末史をふり返る特別展覧会を開催します。
 この展覧会では、直筆の手紙のほかに、龍馬の遺品として有名な血染の掛軸や屏風、坂本家の家紋入りの紋服、土佐でもらった小栗流の剣術免状、近江屋で使った海獣葡萄鏡などを一部屋に集めて展示します、とのこと。

 坂本龍馬の手紙を見てもなあ、とあまり期待してなかったのだが。
しかし、そんなことはなかった。
司馬遼太郎の「竜馬が行く」を何回か読んでいたので、竜馬のことはエピソード含め良く知っている。
そして、幕末という時代も、彼の仲間のことも。
だから、手紙を見て、あれのことだな、と身近に感じられるのだ。
そして、竜馬直筆の手紙を実際に間地かに見ると、歴史の息吹を感じる。

 一番感動したのは、大政奉還前に後藤象二郎に宛てた手紙だな。
後藤象二郎は、容堂とともに連署して大政奉還建白書を慶喜に提出した。
貴殿は、大政奉還の説得をできなければ、切腹する覚悟で臨まれることと思われる。
自分は、貴殿が戻って来なければ、説得できず切腹したと考えて、海援隊の仲間と共に慶喜を切ると、書いている。
凄い内容だ。
説得できなければ、切腹しろと後藤象二郎に言っている。 これは、脅しでもある。
そして、もちろん自分らも死ぬ覚悟だと。
この時が、竜馬のような脱藩浪士にとってのクライマックスだった。
その時の気迫が感じられたよ。

 竜馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋に飾れていた血染屏風も展示されていた。
いろいろな水墨画や書が切り貼りされていた。
そして、左下の猫の絵に血が点々と飛んでいた。
その時、歴史の感慨にふけるのではなく、この屏風の趣に惹かれていた。
雑多な絵や書が切り貼りされているのだけど、どこか趣があって美しかった。
一介の醤油商の客間にこういう屏風が飾られていた風流に感心していた。

 他では、武市半平太の獄中の自画像と牢屋を描いた絵に驚いた。
凄くうまいのだ。
「竜馬が行く」では、融通の利かない堅物と描かれていたのに、こんな絵の才能があったなんて。

 「近世珍話」の禁門の変で被害にあう京の人々を描いた絵もうまかったし、興味深いものだった。
この禁門の変で京の市中はかなり焼けたようだ。
このことは、京都の寺社を見るとき、意識しておいた方がよいな。

 気が付いたら、3時間近く見ていた。
解説文を丁寧に読んでいたのもあるけど、竜馬や幕末に思いを寄せる、そんな時間を過ごせた。
実物を見ると、違うね。
予想に反して、充実した展覧会だった。

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