兵庫県立美術館で生誕130年記念「藤田嗣治」展を見てきた。
藤田嗣治(1886-1968)の生涯と画業をたどる展覧会。
27歳で初めてフランスに渡って以来、81年の生涯の半分近くを、フランスを中心とする異国で送った藤田の芸術は、まさに東と西の文化の上に誕生したものです。
本展は、フランス、ランス市に寄贈された800余点の中から選ばれた作品と、国内外からご拝借した作品約120点を展示します、とのこと。
フジタの絵は、展覧会でちらほら結構見てきた。
あまり好きな画家ではない。
子供の絵に見られる、異形な感じが、この画家は感性がおかしいと思わせて、好きになれないのである。
ただ、いいのは、いいのである。
個展として、彼の絵をまとめて見るのは、今回が初めてだった。
★「スーチンのアトリエ」
フジタはエコール・ド・パリの画家たちと交流があった。
中庭からドアへと続く小さな階段が描かれている。
なんのことはないが、いい絵である。
★「ル・アーブルの港」と「パリ風景」
「パリ風景」
フジタの初期のパリ時代の暗い絵。
いい構図。
フジタの心情が表れていて、好きだな。
これらの絵が、フジタの絵で一番共感できるよ。
★「エレーヌ・フランクの肖像」
見事なドレスの服地の質感。 ただし、リアルというのとは、違う。
独特だな。
★「秋田の娘」
近くで見ると、絵肌がとても繊細で、いとおしくなるほどの絵である。
★「アッツ島玉砕」
フジタの戦争画は、すべて茶色でごちゃごちゃした群像なので、何が描かれているのか、ぱっとみよくわからない。
悲惨とも思わないし、鼓舞される感じもない。
何を表現しようとしているのかな?
フジタのデッサンがあった。
目は強く克明に描かれているが、鼻や口は筆致がすくないがとても的確である。
ほつれている髪の毛が、何とも言えずいいのだ。
好きだな。
子供の絵は、相変わず、好きになれなかった。
聖母子も違和感がある。
まあ、なんだかだ言いながらも、フジタの絵はいいと言わざろうえない。
好みではないのだが。