「美人のすべて」 ~鏑木清方が一番かな~ *福田美術館

 福田美術館で、「美人のすべて」を見てきた。

上村松園作品を中心に、東西で活躍した画家による美人画の展覧会。

 福田美術館は、京都・嵐山に2019年10月に新しく出来た美術館。
知らなかった。 オープニングには多くの名作が展示されていたみたいで、見逃したのは残念だったな。

調べると、同館のオーナーは、消費者金融大手・アイフルの創業者である福田吉孝
その所蔵点数は約1500点。琳派から円山四条派、京都画壇の作品を中心としており、円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲、竹内栖鳳、上村松園といった絵師たちの作品がその中核となっている。


現代調で、安藤忠雄風かな。 

上村松園を中心にいくつかの絵が写真撮影可だった。

上村松園「四季婦女図」。上村松園「四季婦女図」。上村松園「美人観月」

「四季婦女図」は、初期の作品みたいだけど、構図がいいね。
「美人観月」が、本展の上村松園の絵では、一番好きかな。
上村松園の絵は、品はあるけど、あっさりしている印象なんだよね。 淡泊というか、だから物足りない。


歌川国長「町娘立姿図」

「美人のすべて」ということで、江戸時代の肉筆画もあった。
この絵は、二等辺三角形の構図が気に入ったかな。

上村松園を中心に、鏑木清方や伊東深水、伊藤小坡、中村貞以の絵があった。
断然、鏑木清方が良かった。
昔、美術館「えき」KYOTOで、「鏑木清方の芸術展」を見たことがある。
ずらっと鏑木清方の絵を見た。 まあまあかなという印象だった。
しかし、今回、他の美人画と比べると、清方が断然いいなと思った。
「庭前清趣」が一番かな。
着物姿の女性が、かがんで手水鉢の水を柄杓で掬う場面。
趣あるしぐさと、青の着物の裾が白地に薄染めの葉が染められていて、とても美しかった。
鏑木清方は、まだ残っていた江戸の風情がとても好きだったんだな。 それが感じ取れる。

 一方、伊東深水には、がっかりした。
新しいことを試みているんだろうけど、悉く失敗している感が否めない。 がさつなんだな。
中村貞以の「夏姿」は良かった。
薄茶の着物を着た少女に近い若い女性が、正座している。
可愛らしいし、美しい。

これらの美人画を見ていて、昔の日本女性には、所作の美しさがあったんだなと思った。
今とは、隔世の感がある。
今では、生け花やお茶の世界にしか残っていない。
日本女性は、大切な物を失いかけているのかもね。

見終えて、観月橋の通りを歩いていると、傍らの石仏が目に付いた。

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